「居酒屋兆治」

2017年05月19日 17:05

「居酒屋兆治」

唐突な余談ですが、
テレビ朝日の平日昼に放送されている連続ドラマ「やすらぎの郷」に、
高倉健さんを連想させる秀さんという人物が登場します。

主人公の妻は既に亡くなっているのですが、元は女優でした。

主人公は、
その妻と秀さんとの間にむかし何かあったのではないかと疑っています。

すると、
或る日、秀さんが「奥さんの位牌を拝ませてほしい」と訪ねてきます。

位牌を前にして、
秀さんは、黙ったまま、主人公の妻の若かりし頃の水着姿の写真を、
約30分間も見つめつづけます。

その異様な姿を見た主人公の胸中は、穏やかではなかったのでした。


さて、
本日の文芸坐三浦館上映の作品は、高倉健主演「居酒屋兆治」であります。

山口瞳の小説を原作とした1983年公開の、
監督・降旗康男、撮影・木村大作コンビの作品であります。

しかし、
正直に言ってわたしはこの物語が好きではありません。

ささやかながら、居酒屋を営む幸せな夫婦の間に、
旦那の元彼女の影が忍び寄るという物語だからです。

概ね男性は、この物語に登場する元彼女(大原麗子)が
美しくも哀れに思えるのでしょうが、女性から見たら困った存在でしょ?

ですからどうもこの映画は男性の側から創られたような気がします。

但し、この物語と現実の大原麗子さんの死が重なって、
より美しく見えることは否定しませんけどね。


そういえば、
大原麗子さんが亡くなって、
高倉健さんが独りで大原麗子さんの墓参りをしたのだそうです。

墓前で約30分間も、黙って手を合わせていたといいます。


「ドラゴンへの道」

2017年05月18日 18:00

「ドラゴンへの道」

文芸坐三浦館、
昨日は「ロッキー」が登場しましたが、本日はブルース・リーの登場です。

作品はブルース・リーが初めて監督した作品ですが、
製作・脚本・武術指導・音楽・そして主演という6役を務めた、
そう!1972年公開の香港映画「ドラゴンへの道」であります。

そういえば、
わたしの高校時代にブルース・リーの真似が流行ったのですが、
ほとんどが声だけ わたしは興味がありませんでした。

しかし、
うちの次男にとってブルース・リーは“神”であります。

因みに息子は多神教なもんで、
宮本武蔵も“神”、むかしはジャッキー・チェンも“神”だったようですが、
いまは判りません。

で、下の写真は息子のバイブル。

ブルース リー ノーツ

「ロッキー」

2017年05月17日 17:55

「ロッキー」

貴方、片腕立て伏せってできますか?

わたしは、
若いときにはできましたが、もうできません。

両腕でも、何回できるでしょう?


さぁ、ついに文芸坐三浦館に「ロッキー」の登場であります。

ロッキー」が公開された1976年は、わたしが二十歳になった年です。
母校の演劇科入学を目指してガン吹きの資材工場で働いて学費を稼いでいました。

そんな生活のなかで、休日に観たのが「ロッキー」でした。
わたし単純ですから、この映画には心底励まされました。

生卵こそ飲みませんでしたが毎日ジョギングして、
セメントや砂の袋を担いでスクワットしたり筋肉トレーニングをしていました。
それは受験の合否とはなんの関係もないことが後で分かったのですが・・・。
それでもロッキーには励まされました。

そして、
無名だったシルヴェスター・スタローンが脚本を書いて主演し成功するという、
アメリカン・ドリームにも、大いに励まされたのでした。

いまでも、あの音楽がかかると、片腕立て伏せがしたくなります。


「アンストッパブル」

2017年05月16日 18:19

「アンストッパブル」

本日の文芸坐三浦館は、「アンストッパブル」を上映しました。
デンゼル・ワシントン主演で2010年に公開され、トニー・スコット監督の遺作となった映画です。

ところで、
むぅむぅ(義父)は、以前或るカルチャースクールの講師を務めていました。

講座は映画についてのもので、
何年か務めましたが受講生が少なくなって講座が無くなりました。

しかし、
むぅむぅの映画の話を聴きたいという熱心な受講生が何人かで月に一度集まって、
むぅむぅを囲む会を催していましたが、とうとう一人だけになってしまいました。

最後まで残ったYさんは、
映画が大好きのようで、月に一度のむぅむぅとの映画談義を楽しんでいらしたようです。

しかし、
むぅむぅが外出できない状態になって、Yさんとの映画談義もできなくなってしまいました。

そうしましたら、Yさんが結婚されました。

そして、
むぅむぅ宛てに黒澤明が書いた「暴走機関車」の脚本の写しと、
アンストッパブル」のDVDを贈ってくださいました。

暴走機関車」も「アンストッパブル」も、ひたすら列車が暴走する話です。

人間が作り出した“道具”が制御不能に陥り、
その暴走を人間が止めようとするのですが「Unstoppable(止められない)」
つまりはそれだけのお話なのですが、そこが醍醐味であり、痛快なワケです。

ワクワクドキドキする映画が大好きなむぅむぅ向けの映画であります。


「踊る大紐育」

2017年05月15日 17:38

「踊る大紐育」

原題は「On the Town」直訳すれば“街に出て”?“街へ”?。

これは、きょう文芸坐三浦館が上映した
1949年公開のミュージカル映画「踊る大紐育(おどるだいニューヨーク)」のことです。

作曲はレナード・バーンスタイン
主演は監督も務めたジーン・ケリーフランク・シナトラ

“街に出て”を「踊る大紐育」と訳するほど歌って踊る映画なのでありますが、
水兵たちが束の間の休暇を楽しんでから戦争に向かうという物語が、
これほど明るく描かれているのは、公開が1949年(昭和24年)ということからも判るように、
第二次世界大戦の結果が出ていたからでしょうが、
アメリカにとって戦争がいかに日常的であったかを表してます。

公開された翌年の1950年には朝鮮戦争が始まり、
アメリカ軍は約14万人の死傷者を出し、その内、
戦死者と戦闘中の行方不明者を合わせ約4万5千人が犠牲になりました。



「今を生きる」

2017年05月14日 17:34

「今を生きる」

人は、誰しもが最初は自分自身が見えていません。

自身の声も聞こえず、どのような話し方をするのか知りません。
なぜそのようにするのか、なぜそう思ったのかも判りません。

自分とは、一体何者?
そうやって、自問自答しつづける生物なのです。

セルフイメージを変えながら、
“自分を生きる”、“今を生きる”ことこそ、
人間にとっての最重要課題であり、カゲロウの如き人生の目的でしょう。


さて、正直に言って、
わたしはアメリカという国に言いたいことが沢山あります。

(※)東京大空襲、広島・長崎、ベトナム、核兵器、イスラエル、
アフガニスタン、イラク、シリア、沖縄米軍基地、おもいやり予算、
銃社会、差別、FBI長官解任、大統領のツイート、激甘ケーキ・・・。

しかし、
アメリカにロビン・ウィリアムズのような人がいたことと、
彼が主演したような映画が創られていることをもって、
わたしは辛うじてアメリカがキライにならずにいられます。

人に笑顔を思い出させ、人を笑顔にした人の笑顔が
果てしない苦しみと裏腹であったことを想いながら、
これからも遺してくれた映画を観ようと思います。

彼の本当の希いがそこに描かれていると信じるからです。

ということで、
きのうは黒澤作品「生きる」、きょうの文芸坐三浦館は1989年公開「今を生きる」。



※勿論、無差別爆撃や原爆投下という非人道的行為と、
  映画が相殺できるという意味ではありません。

「生きる」

2017年05月13日 17:39

「生きる」

いのち短し恋せよ乙女

紅き唇褪せぬ間に

熱き血潮の冷えぬ間に

明日の月日はないものを


これは、
坪内逍遥の弟子であった吉井勇が作詞し、
島村抱月の弟子であった中山晋平が作曲し、
松井須磨子が歌った「ゴンドラの歌」ですが、
ちょっと歌っただけで、涙がにじむのであります。

さて、
本日の文芸坐三浦館上映の作品ですが、
いよいよ黒澤明監督作品「生きる」の登場であります。

わたしが初めて観た黒澤映画であり、
また黒澤映画で一番好きな作品でもあります。

初めて観たのは18歳で上京した直後のことでしたが、
上映期間中仕事終わりに毎日映画館に通いました。

この映画が、
これまでのわたしを支え与えてくれたことの大きさは計り知れません。

ところで、
以前にも書いたことですが、
わたしはむかし志村喬さんにご挨拶したことがあります。

それは六本木通りの歩道でのことでしたが、
前方からご夫婦で歩いてこられる志村喬さんに気づいたわたしは、
思わずその場に立ち尽くしてしまい深々と頭を下げたのでした。

すると、
それに気づかれたご夫婦は静かに返礼してくださいました。

わたしは立ちつくしたまま泣いてしまいました。


いのち短し恋せよ乙女

いざ手をとりてかの舟に

いざ燃ゆる頬を君が頬に

こヽには誰も来ぬものを


いのち短し恋せよ乙女

黒髪の色褪せぬ間に

心のほのほ消えぬ間に

今日はふたたび来ぬものを




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