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祝婚歌

2009年04月27日 19:11

昔、アナウンサーと言えば、高橋圭三宮田輝という時代がありました。

昭和30年代、40年代のことです。
家族が揃ってテレビを見ていた時代でした。
見ていないときには、テレビに幕が下りていた時代でした。


お二人共にNHKのご出身で、確か同期だったと思います。

後に高橋圭三さんは民放へ移り、
民放は高橋圭三、NHKは宮田輝という時代が続きました。

その後、お二人共に参議院議員になられたことも共通しています。


さて、その高橋圭三さんの朗読で、吉野弘さんの詩「祝婚歌」を聴いたことがあります。

在りし日の高橋圭三さんの名調子を覚えておいでの方は、
音声はありませんが、高橋圭三さんの朗読を想像してお読みください。


吉野弘詩集 「贈るうた」より

「祝婚歌」

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することになっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい



読み返す度に、反省を促される詩であります。


贈るうた贈るうた
(1992/04)
吉野 弘

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詩の全文掲載に関しましては、私の個人的責任において掲載させて頂きました。
吉野弘さんのお考えを尊重しつつ、お考えに甘えさせて頂きました。
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コメント

  1. よっちゃん | URL | cwiuqksw

    Re: 祝婚歌

    そうそう君がお芝居の制作で京都に来ていて、
    河原町通りで偶然にばったり会いました。

    家内が黄楊の櫛(つげのくし)を買いたいというので歩いていたところでしたね!

    なつかしいな~

  2. 三浦秀和 | URL | cwiuqksw

    Re: 祝婚歌

    よっちゃん さん

    15年ですか。

    その頃、京都の清水寺の近くを歩いていて、
    偶然にお二人にお遇いしましたね。

    三浦秀和

  3. よっちゃん | URL | SVEFzuYE

    Re: 祝婚歌

    三浦秀和君へ

    この「祝婚歌」は私達の結婚式の際、お仲人が朗読してくださり、とても懐かしく読ませていただきました。

    本も贈呈してくださり、今も大事に持っています。

    15年前になりますが、あ~懐かしいな~。

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