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「角筈にて」にて

2019年12月07日 23:59

きょう、
浅田次郎の短編小説「角筈にて」を、
若い友人である佐野圭亮君が朗読するというので聴きに行ってきた。

「角筈」は、「つのはず」と読む。

角筈は、新宿区に在った旧・地名だ。
新宿駅の東口一帯、西口一帯、現在の歌舞伎町辺りだ。

主人公の恭一は8歳のときに角筈で父に生き別れ、
伯父の家で育てられたが、伯父は父親が迎えにくるかもしれないと、
恭一を養子にはしなかった。

伯父の家には、伯母と主人公より少し年上の保夫と年下の久美子がいた。
恭一は大人になって、東大に入学して一流企業に就職して久美子と結婚した。

だが、恭一は上司が会社の派閥抗争に破れ退陣を余儀なくされたのに伴って、
ブラジルへの左遷が決まってしまった。

そのささやかな送別会の夜、恭一は父と別れた角筈の街で父の姿を見かける。


この小説を読んだのは15年ほど前のことだっただろうか。
文庫「鉄道員(ぽっぽや)」の中に収録されていた短編の一つだったと思う。

わたしがこの小説に引き込まれた理由は、
親戚の8歳の子を引き取って、我が子のように育てた伯父夫婦の存在だった。

親戚の子とはいえ、
他人の子を引き取って育てることの大変さと、その子を敢て養子にしない選択。

親子であれ兄妹であれ他人であれ、
此の世で人と人が出逢うことの意味を考えさせてくれる一篇であった。


きょうは、終演後に目白のイタリアンで佐野圭亮君との出逢いを楽しんだ。




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