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「また、再建しましょう!」

2018年07月28日 21:11

「シシュポス」

ギリシャ神話に “ シシュポスの岩 ” という話があります。

狡猾な男シシュポスは、二度も神々を欺いたので地獄に墜とされました。

シシュポスは、地獄で山の頂上まで岩を運ぶ責め苦を負わされますが、
苦労して岩を頂上まで運ぶと、岩は山の麓までころげ落ちてしまいます。

そこでまた苦労して麓から岩を運ぶのですが、岩は山頂に運ばれた途端に
またころげ落ちるといった具合で、永遠にこれを繰り返すことになります。

「徒労」という苦役、これがシシュポスが受けた罰だったのです。


さて、東日本大震災が起きたときに、岩手県大船渡市で旅館を経営していた只野さんご夫婦は、
津波で旅館の3階の下階段部分まで浸水するという事態に見舞われ、3階部分に孤立していましたが、
被災してから2日後に自衛隊によって無事救助されました。

しかし、旅館は基礎と鉄骨を残すだけになっていました。

それでも、只野さんが自衛隊に救助されるときに取材するマスコミに対して、
「また、再建しましょう!」と明るく応える只野さんの様子に多くの人々が励まされ、
その映像は瞬く間に拡散したのでした。

その後、只野さんは言葉通りに2012年6月に旅館の再建を果たしたのだそうですが、
旅館の営業再開を見届けてから約3か月後の同年9月中旬、83歳で亡くなったそうです。

お歳から想像すると、戦争と戦後を体験なさったことでしょう。
1960年のチリ地震のときにも、大船渡は津波被害に遭ったのだそうです。
1977年に旅館を創業されたのだそうですが、ご苦労も並大抵ではなかったと想像します。

その旅館が津波にやられた直後に「また、再建しましょう!」とおっしゃった前向きさに、
どれだけの人々が勇気づけられたでしょうか?
そのことだけでも、只野さんのお仕事は決して徒労ではなかったのです。


台風が、いま西日本に向かっています。
台風の被害が出ませんように。被災地の二次被害がありませんように。



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