「鬼の十則」の呪い

2016年11月12日 19:35

“広告界のガリバー”と謂われ、
我が国一番であるのみならず、世界最大の売り上げを誇る広告代理店。

その広告代理店の“広告の鬼”と呼ばれた伝説的な経営者が示したという、
鬼の十則」という規範が、最近“話題”になっています。

この“広告の鬼”が、
第4代社長に就任し「鬼の十則」を示したのは昭和26年のことでした。

敗戦と戦後の混乱期を経て、昭和25年(1950年)に朝鮮戦争が起きましたが、
翌・昭和26年(1951年)という年には、サンフランシスコ講和条約が結ばれ、
連合国による日本の占領が終わり、日本に平和が訪れようとしていました。

朝鮮戦争による軍需景気を背景にしながら、そんな朝鮮半島の戦争を尻目に、
経済成長という日の出を迎えようとしていた時代に、「鬼の十則」は示されたのです。

それは、“広告の鬼”にとっては、
戦争で焼け野原となった日本を再興するための戦後処理の一貫であり、
敗戦から立ち上がろうとした戦前派・戦中派共通の志だったでしょう。

このようにして、
戦争に敗け、生き残った人々が志を高くして生きてきたのもまた事実です。
そう思って読めば、その意志が伝わってきます。

【鬼の十則】
・仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
・仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
・大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
・難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
・取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
・周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
・計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
・自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
・頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
・摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

わたしたちは、このような先達を父に持ち、祖父に持って生きてきました。
そして、その訓えは或る時代にとっては貴重で有効なものだったでしょう。

しかし、
右肩上がりの経済成長の時代は終わり、石油ショックのようなグローバルな状況を経験し、
バブル景気に踊り、バブル崩壊リーマンショックトランプ大統領の誕生など、
“まさか”ということが起きる先行き不透明な時代にあって、貴方は・・・、
この「鬼の十則」を読んで、どう思われたでしょうか?

わたしの父は、“広告の鬼”ならぬ“みかんの鬼”でした。
わたしたちの世代は、この“鬼”たちの影響を受けて生きてきましたよね。
“鬼の挫折”を知り、“鬼の夢”を聴き、“鬼の意志”を継ぐつもりで生きてきました。
しかし、そろそろ、そんな“鬼の呪い”から醒める時代が来たのかもしれませんね。

併せて、
1970年代に、その広告代理店グループが提唱したという、
戦略十訓」もご紹介しましょうか。

【戦略十訓】
・もっと使わせろ
・捨てさせろ
・無駄使いさせろ
・季節を忘れさせろ
・贈り物をさせろ
・組み合わせで買わせろ
・きっかけを投じろ
・流行遅れにさせろ
・気安く買わせろ
・混乱をつくり出せ


この人吉田秀雄


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