生きてるうちが花なのよ

2016年09月03日 17:59

わたしの学生時代からの友人に、Tクンという男がいました。

硫黄島の戦い

5年前、
そのTクンから送られてきたメールに、こんなことが書いてありました。

その時、
Tクンは闘病中でしたが、或る病院で診察を待っていたときのことです。

若い女性が、
待ち時間が長いと云ってヒステリックに看護師に食ってかかっていたのだそうです。

また、年配のオジサンが、
「診察には時間が掛かるんだから薬だけ出せ!」と怒鳴っていたのだそうです。

病院の食堂に行ったら、
食事しながら、携帯電話で仕事上の相手?を怒鳴りつけてるサラリーマン。

オーダーしたものが遅いと云って、店員を叱責してるオバサン。

そんな様子を見たTクンは、
「この国は、いつからこんなになっちゃたのかねぇ?」と、嘆いていたのでありました。

かつて、
日本とアメリカの将兵が何万人も亡くなった島で、働いていたTクンでした。
その島の写真をたくさん撮ってくれました。

「此処は、アメリカさんのガソリンスタンドなのよ。自衛隊員はそこの店員よ」
「火山灰の島だから、遺体が腐んないのね。ミイラで見つかんのよ。
 あの滑走路の下には、まだたくさんの日本兵が残されてるらしいよ。
 早いとこ連れて帰ってあげなくちゃいけないんじゃね?」

そんなことを云っていました。

Tクンには、
散々ウソをつかれたわたしでありましたが、あの時の彼の話は信じています。


そのTクンが亡くなって、きょうで丸5年が経ちました。

依然として、
世の中に対して怒ったり嘆いたりしながら、わたしはまだ生きております。

死ぬ間際まで、散々ウソをつかれたのに、
不思議なことに、Tクンに対する怒りというものを感じたことがありません。

Tクンだって、
いまや怒りや嘆きとは無縁の世界に逝ってしまいました。

生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ・・・、なのでありますよ。



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