欄干が無い橋

2016年08月17日 18:27

舗装した道路に、車道と歩道を分ける白線が描いてありますよね。

貴方は、あの白線の上を、はみ出さないように歩くことが出来ますか?
わたしは、酒を飲んだあとで試して、酔い具合を確かめることがあります。

では、
幅30センチの白線があったとしたら、その上を真っ直ぐに歩けますか?
これは、簡単そうですね。実は、点字ブロックの幅が30センチです。

では仮に、
その幅30センチの線が高さ10メートルだったとしたらどうでしょう?
歩けますか?

更にお訊ねします。

貴方は、
幅3メートルの欄干が無い橋を、目隠しをして、杖だけを頼りに歩けますか?


一昨日、東京の地下鉄のホームを、
白杖(はくじょう)を持ち、盲導犬を連れていた視覚障がい者の男性が、
ホームから線路上に転落し、走ってきた電車と接触して亡くなりました。

事故の直前に、
男性が線路側を歩き、盲導犬が内側を歩いていたようなのですが、
なぜそのような位置取りで歩いていたのか、なぜ転落したのか、
詳細は、まだ判っていないのだそうです。

所謂、健常な人たちにとっても、
本来、駅のホームというのは危険な場所であります。

人は慣れてしまうと、
電車の侵入がアナウンスされていても、ホームの端を歩くことがあります。

でも、もし仮にあのホームが高さ10メートルの場所に在ったら、
貴方は、ホームの端を歩けますか?


わたしは、
むかし視覚障がい者のガイドヘルパーの資格を取得しました。

そのとき、
駅のホームについて、視覚障がい者の皆さんが感じていらっしゃることは、
「駅のホームというのは、欄干が無い高さ10メートルの橋と同じだ」
ということを知りました。

ホントに高さ10メートルの欄干が無い橋の上に立ったら、
人は、橋の真ん中でしゃがみこんでしまうのではないでしょうか?

ホームで、よく歩きスマホの人を見かけますが、恐ろしいことですよね。


さて、
先日、駅のコンコースで、白杖で点字ブロックを叩きながら歩いていた女性を、
ウルサイ!と怒鳴りつけた男性がいたことが、ネットで話題になりました。

視覚障がい者が白杖を持つことの意味をご存知ない方だったのでしょう。

あの白杖は、
視覚障がい者であることを周りに認識してもらうためのシンボルとして、
また身体の支えとして、そして杖を使って歩行の情報を得るために持つものです。

そして、杖で音を鳴らすのは、
周りの人に気づいてもらうことで、不用意な事故を防ぐためなのです。

もし、駅のホームで白杖を持った人に気づいたら、
是非一言声を掛けて差し上げてください。

だって其処は、
欄干が無い高さ10メートルの橋の上と同じなんですから。



スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://coachhide.blog73.fc2.com/tb.php/2837-c12a16ed
    この記事へのトラックバック


    最新記事