「反応工程」

2016年05月13日 23:59

反応工程
  劇団俳優座公演「反応工程」

最大の関心事は、
“今日の世界が、きょうの演劇によって再現されているかどうか”でした。

スイスの劇作家デュレンマットが、
「そもそも今日の世界は演劇によって再現できるか?」
という疑問を提示したことに興味をもったドイツの劇作家ブレヒトは、
「今日の世界は演劇によって再現できるか」という文章を記しました。

それを、劇団俳優座の創設者で演出家で俳優で我が師でもある
千田是也先生が、ブレヒトの演劇論集としてまとめ、翻訳されました。

デュレンマットブレヒトが共有した疑問の前提には、
少なくとも以前「演劇は世界を再演できた時代があった」ということです。
演劇で再現された世界と、世界との間に一致があったからです。

しかし、
世界大戦以降、演劇による世界の再現は困難な時代に入りました。
世界で起きていることを、“再現”することの難しさです。

ブレヒトは、
「今日の世界は、それをひとつの変化する世界として
 記述する場合のみ、今日の人間にも記述できる」
と結論づけています。

演劇で世界を再現すること、
つまり、演劇で現実の世界を観せること、認識させること、感じさせること、
その演劇によって創られた世界が、現実の世界に影響を与え得るか否か、
それこそが、演劇のもつ役割であり使命であるというのが、
千田先生の遺産(レガシー)だったとするなら、そのことが最大関心事でした。

さて、
久しぶりの紀伊國屋ホール。
久しぶりの劇団俳優座。
久しぶりの観劇でした。

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