2016年04月05日 23:59

雑司が谷鬼子母神堂の境内は、よく通る散歩コースの一つです。
さて、
雑司が谷鬼子母神堂を正面に見て左手に、法不動堂は在ります。
法不動堂には、金剛不動尊(不動明王)がお祀りされています。
密教では、仏が三体の姿に変身して現れると謂われているのだそうです。
一体は、真理を表す「如来」の姿、もう一体は、悟りを得た「菩薩」の姿、
そして、仏法に背く者を恐れさせて教え諭す「不動」の姿なのだそうです。
お釈迦さまが悟りを求めて菩提樹の下で坐禅しようとしたとき、
修行を妨げ心を惑わす魔物・マーラ(魔羅・摩羅)が現れたといいます。
煩悩の化身であるマーラは、まず美しい三人の娘たちに誘惑させました。
しかし、お釈迦さまは誘惑に負けることはありませんでした。
恐ろしい妖怪たちに襲わせましたが、それにも屈しませんでした。
あらゆる危険や恐怖を与えましたが、お釈迦さまは動じることなく、
悟りを啓いたのだそうです。
そのときのお釈迦さまの内面を現したのが、不動明王のお姿なのだと謂います。
精神医学者で、フロイトやアドラーと並び称される
心理学者のユングが言う、人にとっての「シャドウ(影)」という存在。
それが、お釈迦さまを脅しつづけた煩悩の化身・マーラと重なります。
無意識に自分を抑圧するシャドウ。
意識しても許容できないもう一人の自分・シャドウ。
そのシャドウを否定することは、自分の否定だというジレンマ。
そのシャドウに打ち勝ってこそ、悟りが啓けるということでしょうか。
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