切腹

2016年02月21日 23:59

昨日、清水のH寺のご住職が送ってくださった、
わたしたちのご先祖様にまつわる資料を読んでみました。

その資料に記されている、一つのエピソードは、
昨日のブログにも書いた、わたしの母からみて父方の曾祖父にあたる、
青木彌五右衛門に関するものです。

青木彌五右衛門は、
幕府の番方として、江戸城の警備で鉄砲の火薬を扱うお役をしていましたが、
大政奉還を経て精鋭隊に加わり、元・将軍徳川慶喜公の警護を担っていました。

しかし、戊辰戦争が終結して、謹慎を解かれ静岡に還る慶喜公に随行して、
家族共々、駿府という名称を改めた静岡に移住したのでした。


ところで突然話を変えますが、
みなさんも、時代劇や歌舞伎等で、“切腹”の場面を観たことがあると思います。

わたしも、むかし俳優の修行をしていた時代がありますが、
学生時代の授業で、“切腹して”という課題を与えられたことがあります。

学生が一人ずつ皆の前に出て、“切腹する”のですが、
先生から、なかなかOKがいただけませんでした。

大概の者は、白刃を腹に突き立てたあたりから顔を真っ赤にして、
力一杯に苦渋の表情を表しています。

すると先生が立ち上がって学生のところに行き、
学生の腹を人差し指の先で押しながら「どう?痛い?」と訊ねました。

学生が頷くと、
「私のこんな太い指だって、強く押せば痛いからお腹に力を入れちゃうよね?」
 だからサ、みんなのやり方だと腹筋が締め付けて刃が入らないんだよなぁ・・」
とおっしゃったのです。

先生がおっしゃっるのは、
真っ赤な顔をして、力一杯腹を切る芝居をしているのはウソ。
“真っ赤なウソ”だということでした。 
切腹とは、「腹の力を緩めて腹を切り割くことなのだ」ということです。

つまり、切腹という儀式が壮絶なのは、このことから解ります。
自分の腹を脱力させて刃を突き立て、左脇腹から右へと真一文字に切り割きます。

作法によっては、
その後ヘソの上からヘソの下にかけて十文字に切ることもあるそうですが、
それでも、人間は即座に絶命しないものなのだそうで、腹を切った刃を抜いて、
心臓を突いたり、頸動脈を切って果てるのが切腹の正式な作法なのだそうです。

しかし、
自ら腹を真一文字に切るだけでも至難の技ですから、
武士の情けとして、途中で介錯が行われることが慣例となりました。

腹を切ったら・・、或は切ったことにして、介錯人が首を斬るのです。
この介錯は、誰でも出来るほど簡単ではないのだそうであります。

ところで話を元に戻せば、わたしが読んだ資料というのは、
青木彌五右衛門が移住した静岡で、士族仲間の切腹に際し、
介錯人を務めたというエピソードが記された資料でありました。



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