2015年11月07日 23:59

「柳原白蓮の生涯展」
きのうから、池袋西武本店でやってます。
むかし、
柳原白蓮について、少し調べたことがありました。
前職の演劇制作体に勤めていた頃、
或る作品で、九州を旅公演していたときです。
或る公演地でのこと。
開演前の楽屋で松井須磨子役を主演していた女優に、
柳原白蓮に関する本を探していると相談されました。
そこで、
開演してから、書店を探してお目当ての本を買い、
休憩までに楽屋の化粧前に置いておきましたところ、
休憩で楽屋に戻ってきた女優に大層喜ばれました。
その女優が、なぜ柳原白蓮の本を探していたのか、
わたしは知っていたのでした。
その頃、演劇制作体が、
その女優に、柳原白蓮を演じる作品のオファーをしていたからです。
それで、わたしも少しだけ柳原白蓮について調べてみました。
その女優が主演して、柳原白蓮が主人公の作品が上演されたのは、
その2年後のことでした。
松井須磨子、柳原白蓮、伊藤野枝・・・。
この女優は、いずれ波乱の生涯を生きた人間を演じさせたら、
天下一品の名女優であります。
さて、
その女優が演じた波乱万丈の人生を生きた女性たちは、
皆大正時代に生きていた人たちです。
松井須磨子は、
1919年(大正8年)に愛人であった島村抱月の後を追って自死しました。
伊藤野枝は、
1923年(大正12年)に、愛人であった大杉栄と共に憲兵の拷問によって頓死。
こうして、二人の女性が亡くなったその時代。
1920年1月、柳原白蓮は、のちに駆け落ちをする宮崎龍介に出会います。
出会いが恋に発展し逢瀬を重ねるようになるまで、
長い時間はかかりませんでした。
そして、
出会いから2年も経たない1921年(大正10年)10月、
柳原白蓮は宮崎龍介と駆け落ちしたのです。
世に言う白蓮事件です。
日本に姦通罪があったこの時代、道ならぬ恋は命懸けでありました。
出生から、その人が一生を終えるまで、
これほどに波乱万丈な生涯を生きた女性が、他にいたでしょうか?
いたでしょうね・・・たぶん。 わたしが、知らないだけです。
しかし、
そんな物語は、人を愛することのリスクを厭わず人を精一杯愛し、
精一杯生きた人の物語だからこそ、後世の人々の心を揺さぶるのです。
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