澤瀉屋四代

2015年10月07日 16:00

先日も、ラスベガスのベラージオの大噴水を舞台にして、
ラスベガスでは初めての歌舞伎のプレ公演が行われましたが、
いまでは、歌舞伎の海外公演自体は、珍しいことではありません。

歌舞伎と他のジャンルとのコラボレーションも盛んになりました。
宙乗りなどは当たり前で、様々な役者が宙に浮いております。
舞台機構も進化し、様々なイリュージョンが可能になりました。
舞台衣装も、斬新な現代衣裳のデザイン作家が関わっています。
照明にしても、音響効果にしても、音楽にしても然りです。

ところで、
それらの先鞭をつけたのは代々の澤瀉屋だと云ったら、言い過ぎでしょうか?

先代の市川猿翁丈、つまり初代市川猿翁(二代目猿之助)、当代の曽祖父は、
イプセンなどの近代劇を学び、新劇運動に傾倒した経験を活かし、
リアリズムや心理描写やロシアバレエを歌舞伎に採り入れた人です。
そして、戦後初の海外公演(中国・ソビエト)を成功させてもいます。

そして、
当代市川猿翁丈、つまり三代目市川猿之助、当代の伯父上は、
云わずと知れた歌舞伎界の革命児で、トップリーダーでした。

数々のスーパー歌舞伎二十一世紀歌舞伎組作品を創作・上演し、
猿翁十種」や「澤瀉十種」を制定、数々の埋もれていた古典歌舞伎を復活させ、
創作作品や新演出作品を集大成した「猿之助四十八撰」を確立し、
数々の海外公演を成功させただけでなく、海外のオペラ演出も手がけ、
中国の京劇とのコラボレーション企画公演も成功させ絶賛されました。
自身の勉強会でもある「春秋会」「おもだか会」を主宰しながら後進を指導し、
当代の市川猿之助丈をはじめ、多くの弟子と7人の部屋子を育てあげました。

ケレンや宙乗りを復活させたのも、最新の機構やプランを採り入れたのも、
出待ちファン(楽屋から役者が出てくるのを待つファン)現象を起こしたのも、
三代目の功績によるものでしょう。

そんな三代目の後継者である当代のプレッシャーはいかばかりかと思います。

先代・先々代・先々先代が守り、築き上げてきたものを踏襲しながら、
常に新しいものを期待されている身なのですから。

時代の先頭に立って、
未開の領域を切り開いてゆく苦労は並大抵ではないでしょう。

今回の歌舞伎公演は、人気長編漫画「ONE PIECE」(ワンピース)の舞台化です。
古典歌舞伎好きの見巧者のお客様と、漫画のファンの方たち、
どちらからも批判される可能性があるハイリスクでスリリングな舞台です。

伯父、父、祖父、曽祖父たちがそうであったように、
四代目もまた、創作者として表現者としての血をたぎらせていることでしょう。

そんなの舞台に、共に立つことが出来る息子は幸せ者です。

スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」
本日の16時30分、初日の幕が開きます。

澤瀉屋の仲間たちの航海が始まります。

「ワンピース」

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