1インチ

2015年03月15日 23:59

テレビ・ドキュメンタリーを観ました。

東西冷戦の時代、
軍拡競争する米ソは、核の脅威からくる緊張感で均衡を保っていました。
しかし、際限のない軍事費の拡大が国民の生活を圧迫していました。

そんな時代、ソビエト連邦共産党書記長にミハイル・ゴルバチョフが就任します。
政治経済の抜本的改革を目指し、ペレストロイカグラスノスチを断行しました。

そのゴルバチョフが、
如何に西側の首脳たちと交渉し、冷戦終結を達成したのか・・。

ゴルバチョフ大統領と、
アメリカのロナルド・レーガン大統領との核兵器軍縮交渉。
西ドイツのコール首相とは、NATO軍ワルシャワ条約機構との問題を交渉。
そして、東西ドイツの再統一
マルタ会談で、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領と握手し冷戦が終結するまでの、
それらの経緯を特集したテレビ・ドキュメンタリーでした。

そのなかで、
ゴルバチョフが、ロシアのプーチン統領とアメリカのオバマ大統領宛に、
最近、手紙を書いたことが紹介されました。

ウクライナに平和が戻るよう、断固とした行動を求める内容なのだそうです。
「いま新たな境界線が生まれていることを私は懸念している。
 私たちが歩んできた道、それは壁をなくすことだったはずだ。」
ゴルバチョフは、東西の首脳たちが交渉によって冷戦を終結へと導いた過程を、
いまこそ見つめ直してほしいと語っていました。


ところで、
アメリカのジョージ・H・W・ブッシュ政権で国務長官を務めた
ジェイム・ベイカーは、冷戦終結の交渉中ゴルバチョフに、
「NATO軍を、1インチたりとも拡大させない」と約束したと謂われています。

その後、ゴルバチョフはクーデターに遭いますが、生還します。
しかし、ソ連は崩壊し、エリツィン大統領ロシア共和国が誕生しました。

すべては、歴史の流れのなかで起こっていることであり、
各国の利害と思惑が交差しながら、少しずつ変更されるのでしょう。
また、その当時者も各国複数に及びます。

しかし、
ベイカー国務長官が、ゴルバチョフ大統領に告げたはずの、
「NATO軍を、1インチたりとも拡大させない」という約束は、
現時点でみれば、守られなかったと言わざるを得ません。

いま我が国で「不用意だ」「お騒がせだ」「宇宙人だ」と批判されている
元・総理大臣の言動だって、意外と将来どんな評価を受けるか判りませんよ。

ことほど左様に、国際政治というものは、
歴史を振り返ってみれば解りやすいことであったとしても、
現実は、ひとつ間違えれば、偏ってしまうものであります。

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