こころのシャッター

2014年05月13日 23:59

旅行の朝

以前、
或るホテルに泊まったときのことです。

朝方、
ロビーのソファーに腰掛けて、パソコンを開いていました。

そのホテルは、部屋ではインターネットができず、
ロビーでWiFi(ワイファイ)にアクセスするしかなかったからです。


さて、外が白々としてきたころです。

フロントの前が、
なにやら、騒がしくなっています。

最初は、それほど気にも留めなかったのですが、
次第に、声が大きくなって、内容が聞こえてきました。

フロントの前には、女性が二人立っていました。

フロントの中にはホテルの人が二人立って、
女性たちの話を聴いていました。
女性二人は、親子のようです。


どうやら、事の次第はこうです。

女性二人が、早朝大浴場で風呂に入ろうとしました。
そのホテルの大浴場は、日替わりで男風呂と女風呂が入れ替わります。
それを知らず、掲示を見落とした二人は、
男風呂の脱衣所で、浴衣を脱いでしまいました。
浴室の扉を開けた湯けむりの中で、そこに居た男性客と遭遇し、
はじめて、そこが男風呂だと認識するに至ります。

「どうして、チェックインしたときに、そのことを伝えてくれなかったの」

そう云って、
母親と思われる女性が、猛烈に抗議しているワケです。

その抗議は、延々とつづきました。
声は大きくなり、悲鳴にも似た感じになっています。

わたしも気が散って、パソコンどころではなくなりました。
そこで、一度部屋に戻ったのですが、
再び食事に向かおうとロビーを通ると、まだ同じ状況です。

チェックアウトする客や、朝食に向かう人たちも、
気にしながら、横目で見ています。

わたしが朝食を終えて、ロビーを通ったときでした。
フロントの前には、警察官が来ていました。

そのあとのことは、分かりません。


それにしても、
ナニが女性を、あそこまで興奮させたのでしょうか?

ホテルマンの云っていることは聞えませんでした。
しかし、ホテルマンの対応がそれほど気に障るとも思えません。

大体、
女性たちは、お気の毒だったとは思いますが、
お気の毒な目に遭った?のは、風呂場に居た男性客も同じです。

女性たちがおっしゃるように、
ホテル側が一言伝えておけば避けられた災難だったのかもしれません。

しかし、
わたしも、早朝に大浴場の風呂に入りましたが、
男風呂の場所が、ゆうべと違っていることは、
風呂場の入口に置いてあった行灯の掲示等々で判りました。

二人は、ホテル側の欠落ばかりを批判していますが、
ご自分たちが、案内を見落としたことには言及していないのでした。

ですから、
あの状況は、もはや話し合っているとは言えず、
巨大なクレーマーと化した嵐のようなお客たちなのでした。

あの嵐に遭ったホテルマンたちとしては、シャッターを下ろすように、
ひたすら頭を下げて耐えるしかなかったのかもしれません。

しかし、
こころのシャッターを閉めていたのは、
お客の方も同じだったのではないかと、わたしは思います。

自分のこころのシャッターを閉ざしたまま、
相手のこころのシャッターを開けることなど、できません。

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