美しきものたちとブルーストッキングの女たちの伝説

2014年02月24日 23:59

美しきものたちとブルーストッキングの女たちの伝説

レジェンド」、今風に云えばそうなります。

ベルエポックと謂われ、華やかで自由な印象を遺す大正という時代。
大正デモクラシーの花が、芸術・文芸・文化の畑に咲いた時代。
ロシア革命の成功によって、風が吹いていた時代。

女が太陽であることを説くブルーストッキングの女性たちや、
真の平等を理想として世の中を変革させようと奔走する活動家たち、
芸術性と経済性という二元の道を探る芸術家たち、
そんな“美しきものたち”が、闊歩していたであろう東京の街を、
大正12年9月1日、大地震が襲いました。世に謂う関東大震災です。

明治維新以来、
西洋列強の国々に伍する国家を建設しようとしてきた我が国でしたが、
その国の地殻変動は、明治の時代から既に起きていたのでした。

足尾銅山鉱毒事件日露戦争韓国併合大逆事件第一次世界大戦
米騒動シベリア出兵スペイン風邪大流行世界恐慌、そして・・
関東大震災が起こり、戒厳令が布かれ、朝鮮人虐殺事件が起きました。

そして、
この「美しきものの伝説」と「ブルーストッキングの女たち」という
二つの作品の主人公である、大杉栄伊藤野枝が惨殺された甘粕事件が起きます。

こうして日本は、その後、暗黒の時代に突入していったのです。
その時代の暗さが際立つのも、
大正時代が明るさをもっていたコントラストの所為でしょうか。

そして、あの時代に生きた人々は“伝説”になりました。


“美しきものたち”を演じている卒業生たちは、
一堂に声を嗄らして情熱的に役を掴もうと必死の様子でした。

東北に大震災が起こり、津波が襲い、目に見えない核の恐怖に苛まれ、
そんな絶望的な状況が生じたその時期に、演劇を目指して入学してきた
人たちです。

この芝居のモチーフが、自身と重ならないはずはありません。

国家が正義だ大儀だ愛国心だと口にしはじめ、
特定の秘密を保護することを盾に、言論や報道にタガをはめようとしたり、
集団的自衛権を、内閣の解釈で進めようとする時代です。

この芝居のテーマが、自身と重ならないはずはありません。

それならば、
口角泡を飛ばすのではなく、沈思黙考して事を考える必要があるのではないか、
そんな風に思いました。

そして、あの“美しきものたち”もまた、
胸に激情を秘めながらも、静かに考え、静かに語っていたのではないか、
とも思いました。

それはそれとして、
演劇科・ストレートプレイコース47期生、最後まで“完走”!
お疲れさまでした。そして、おめでとう!

貴方たち一人ひとりの花を咲かせてください。


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