「マーブル」

2014年01月27日 18:50

「マーブル」

きょうは、下北沢の「小劇場楽園」で、
松尾貴史さんと松永玲子さんの新ユニット「π*π」(パイパイ)の第一回公演、
きたむらけんじ作・演出、
松尾貴史さんと松永玲子さんの二人芝居「マーブル」を観てきました。

このお芝居を観たいと思った動機は、
このところ拝見している、きたむらけんじさんの新作だということもありますし、
松尾貴史さんと松永玲子さんの二人芝居だということもありますが、
ホントの動機は、写真家・渡辺克巳さんをモデルにしたお芝居だからでした。


これは、1968年(昭和43年)
新宿ゴールデン街のバー「夏美」を舞台にした、男と“女”の物語。
マーブル模様のように、溶け合っても混ざることのない二つの色の物語です。

男は、新宿でポートレート撮影を請け負う「流しの写真屋」
“女”は、ゴールデン街のバー「夏美」の、訳ありホステス・・・
と言えば、なにか昭和の哀愁漂うノスタルジアを想像されるでしょうが、
1968年の新宿の街には、「騒乱」と「混沌」という言葉が似合います。

1968年の新宿は、
60年安保闘争の挫折感を引き摺りながら社会に埋没した人々と、
ベトナム反戦運動や、安保自動延長阻止に向けて燻る闘志を抱えた学生たちと、
そして、全国の農村・漁村から集団就職で上京した若者たちが交差していた街です。

団塊の世代と呼ばれた人々を、ヘルメットとタオルで顔を隠し、
ゲバ棒を握っている姿だけでイメージするのは、間違いでしょう。
団塊の世代の多くは、
中学校や高校を卒業して直ぐに働いていた若者たちだったのでした。
そういった新宿の街と、そこに生きる人々を撮りつづけた写真家・渡辺克巳さん。

写真を見ると、50年ちかく前のあの時代と現在が重なります。
だから、きたむらけんじさんは、この芝居を書かれたのかしら?


お二人の息子さんに遺された写真家・渡辺克巳さんの言葉です。

「息子 春吉君
 世の中に悪い人はいません。悲しい人がいるだけです。
 春吉が大きくなってから考えてください。」

「息子 次郎君
 父ちゃんが32年かかって作った本です。
 困難がきたとき開けてみると何かヒントがあるかもしれないよ。」


新宿 1965‐97―娼婦、ヤクザ、オカマ、ヌード嬢…彼らが「流しの写真屋」の客だった (フォト・ミュゼ)新宿 1965‐97―娼婦、ヤクザ、オカマ、ヌード嬢…彼らが「流しの写真屋」の客だった (フォト・ミュゼ)
(1997/11)
渡辺 克巳

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