「気骨の判決」

2013年11月21日 18:17

気骨の判決ちらし

昭和17年の衆議院議員選挙、
当時の東條英機内閣は「翼賛政治体制協議会」という組織を作らせ、
この「翼賛政治体制協議会」が、候補者の推薦を行う形式で立候補が行われ、
地域によっては、推薦候補者に投票しないと非国民と呼ばれ、
なかには配給を止めると脅迫され、投票を調査されたりしたのだそうです。

結果、「翼賛政治体制協議会」が推薦した立候補者の8割以上が当選し、
政権(軍部)の方針通りの議会運営が可能になったのでした。

三権分立の「行政」と「立法」が、いわば一体となってしまった時代でした。

そんな戦争末期の昭和20年三月。
この「翼賛選挙」を無効だとする判決が言い渡されました。
三権の残る一つ、「司法」の最高機関である大審院での判決でした。

きょうは、
様々な圧力を受けながら、気骨あるその判決を言い渡した、
大審院判事・吉田久氏の物語を、劇団俳優座公演で観ました。


さて、
特定秘密保護法案をめぐる修正協議が行われています。

与党単独でも成立可能な状況でありながら、
みんなの党維新の会といった野党との修正合意という名の政治取引によって、
強引に成立させたという批判をかわそうという意図がみてとれます。

しかし、
「誰が」「何を」「秘密と」「特定するのか」、
「誰が」「秘密を」「管理するのか」、
「どのような場合」「違反とされ」「訴えられるのか」、
「秘密は」「いつ公開されるのか」、
与党とみんなの党維新の会の修正協議自体が、
“秘密裏に行われている”ワケですから、解らないことだらけです。

それでも法案は、
26日に衆議院を通過する見通しで、この国会での成立が確実な情勢です。


そして、
福島第一原発事故が起こる以前には、
公衆被曝限度年間1ミリシーベルトという基準だったのに、
事故後に、公衆被曝限度年間20ミリシーベルトに引き上げられたり、
それでも「原発事故子ども・被災者支援法」では、
“一定の基準以上の地域”として、対象を「個人」ではなく「地域」とし、
その基準も数値化せず曖昧にしたままです。


また、
先日も、昨年12月の衆議院選挙をめぐり、
有権者1人あたりの「一票の価値」が不均衡な状態を指す「一票の格差」問題。
その選挙の無効を求めた訴訟の判決で、
最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允)は、“違憲状態”との判断は示したものの、
「違憲である」とはせず、「選挙無効」の請求は退けられました。


このように、
現代でも、不合理で理不尽なことがまかり通っています。
「気骨」どころか、「骨抜き」ばかりが目立ちます。



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(2013/03/01)
清永聡

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