「恋文」

2013年10月22日 23:59

連城三紀彦氏が、亡くなられましたね。
哀悼の意を捧げたいと、思います。


氏の短編集の中に「恋文」という小説があります。

若い頃、読んだ記憶がありますが、たぶん20代だったと、思います。
そう思うのは、小説のなかに登場する“むかし別れた女性”という設定を、
或る人を想定して読んだ印象が残っているからです。

「恋文」の大まかな内容は、確かこうでした。
但し、所謂ネタバレですから、まだ「恋文」をお読みでない方は、
この先、ご自身でご判断ください。


結婚して小学生の子どもがいる女性が主人公です。
ある日突然、夫が手紙を残して家出をしてしまいます。

夫には、結婚前につき合って別れた女性がいました。
その女性は独身ですが、余命僅かだというのです。
それを知って、女性は夫に手紙を書いたのでした。
その手紙に、夫も応えました。そして家を出たのでした。

そして、主人公は夫と再会します。
しかし、夫は主人公に、妹ということにして女性と会ってほしいと頼みます。
身勝手な頼みに怒りながら、主人公は女性に会いに行きます。
女性に会うと、主人公は癒されている自分を感じます。

しかし、
夫は、女性と入籍したいと言い出します。

主人公は、女性が手術する前に離婚届に判を押し、
結婚指輪と共に夫に渡します。
病室で結婚式が行なわれます。そして手術が行われます。
しかし、病状が急変し女性は亡くなります。

女性は死の直前、
夫に指輪を“元の妻”に返すように云い遺していました。

女性は、別れた男性が結婚していたのを知っていたのでした。
主人公も、そのことに気づいていました。
お互いに、そのことを感じていたのでした。

主人公は、夫に家に帰ってくるように言います。
しかし、夫が帰ってこないであろうことも、よく解っていたのでした。


わたしは、読んだときに自分と重ね合わせていました。
でも、小説のようなことが起きるハズはないとも、思っていました。

しかし、いまでは、
仮に小説のようなことが起こったとしても、
小説のような展開は、ありえないだろうと思っています。


恋文 (新潮文庫)恋文 (新潮文庫)
(1987/08)
連城 三紀彦

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