迷子

2013年08月08日 23:28

こどものころ、親からよく迷子になったと謂われたらしい、かみさんに云わせれば、
かみさんが迷子になったときというのは、
必ずと云ってよいほど、父親と出掛けたときだったのだそうです。

「結局サ、迷子になっていたのは父親の方だったんだと思うよ」

かみさんは、そんな風に申しております。


さて、きょうの午後のことでした。

わたしが、池袋の雑踏を歩いておりましたら、迷子を見つけました。
わたしとほぼ同時に、その迷子を見つけた親子もおりまして、
その女性と、その女性の子である小学1~2年生くらいの女の子と、わたしの3人で、
その迷子を保護しました。

迷子は3歳くらいの女の子であります。
「パパ・・・、ママ・・・」と云って、泣きもせず親を探しています。

名前を訊いてみましたが、迷子は応えません。
保育園に行っているか訊いてみましたが、どうも幼稚園に行っているようでした。
しかし、幼稚園の名前を訊いてみましたが、応えませんでした。
衣類を見ましたが、名前の記しは見当たりませんでした。

しばらく周りを見回して、迷子を捜している両親と思しき姿を探しましたが、
なかなか見つかりません。

すると、迷子を保護した女性が、迷子を肩車して、
「この子のお母さん、お父さんはいませんかぁ!?」と云って叫びはじめました。
しかし、その甲斐もなく両親は現われることはありませんでした。

炎天下でもありますし、日陰に移動して自動販売機で冷たいお茶を2本買って、
小学生の女の子に1本渡し、迷子にも1本渡そうとしましたが、迷子は受け取りません。

知らない人から、物を貰ってはいけないと教えられているのでしょう。
それで、名前や幼稚園の名を言わなかったのかもしれないのでした。

時間も経ち、仕方がないのでわたしが110番へ通報しました。

迷子を保護した親子にしてからが、サングラス姿の得体の知れない男に、
迷子を委ねるワケにもいかなかったことでしょう。

なかなか警察官が現われないなぁ・・と思っていたときでした。
突然に迷子のお父さんが現われました。
やはり、メインの通りで待っていた甲斐がありました。
必死で探していた父親が、迷子を保護していた我々を見つけてくれました。

迷子のお父さんが、
「どうしていなくなっちゃったの!?」
と云って、迷子の女の子に問いかけます。

すると、
迷子を保護した女性が、
「お子さんを責めないで!まずはギュッと抱きしめてあげてよ」
と云いました。

その父親は、全身汗でビショ濡れでわたしたちに謝りながら、
迷子になった娘に、必死で問いかけようとしているのでした。

そのうちに、
迷子のお母さんと、お兄ちゃんも駆けつけてきました。

「なんで、手を放したんですか?、ちゃんと手を握っていてあげなくちゃ」
女性が両親にそう言っています。その通りなんであります。

でも・・・、
子に「どうして、どっか行っちゃったの?」と訊くのと同じく、
親に「なんで、手をはなしちゃったの?」と訊くのは、酷です。

だって、その時点で、
両親は、どんなにか後悔をしていたのですから。
迷子の父親は、汗ビッショリかいて頭を下げっ放しでしたし、
母親は泣いていました。

でも、
小学生の女の子を連れていた、女性の言う通りなんです。

それでも、お互いさまですから。

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