「生きる」

2017年05月13日 17:39

「生きる」

いのち短し恋せよ乙女

紅き唇褪せぬ間に

熱き血潮の冷えぬ間に

明日の月日はないものを


これは、
坪内逍遥の弟子であった吉井勇が作詞し、
島村抱月の弟子であった中山晋平が作曲し、
松井須磨子が歌った「ゴンドラの歌」ですが、
ちょっと歌っただけで、涙がにじむのであります。

さて、
本日の文芸坐三浦館上映の作品ですが、
いよいよ黒澤明監督作品「生きる」の登場であります。

わたしが初めて観た黒澤映画であり、
また黒澤映画で一番好きな作品でもあります。

初めて観たのは18歳で上京した直後のことでしたが、
上映期間中仕事終わりに毎日映画館に通いました。

この映画が、
これまでのわたしを支え与えてくれたことの大きさは計り知れません。

ところで、
以前にも書いたことですが、
わたしはむかし志村喬さんにご挨拶したことがあります。

それは六本木通りの歩道でのことでしたが、
前方からご夫婦で歩いてこられる志村喬さんに気づいたわたしは、
思わずその場に立ち尽くしてしまい深々と頭を下げたのでした。

すると、
それに気づかれたご夫婦は静かに返礼してくださいました。

わたしは立ちつくしたまま泣いてしまいました。


いのち短し恋せよ乙女

いざ手をとりてかの舟に

いざ燃ゆる頬を君が頬に

こヽには誰も来ぬものを


いのち短し恋せよ乙女

黒髪の色褪せぬ間に

心のほのほ消えぬ間に

今日はふたたび来ぬものを


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