「蜘蛛巣城」

2017年04月07日 17:21

「蜘蛛巣城」

ロミオとジュリエット」「ジュリアス・シーザー」「ハムレット」「オセロ」「リア王」「マクベス」、
シェークスアが次々と創作した悲劇の中でも、最も愚かしい人間の弱さを描いた作品が
「マクベス」ではないでしょうか?

きょうの文芸坐三浦館上映作品は、その「マクベス」を原作とした
黒澤明監督作品、1957年(昭和32年)公開の「蜘蛛巣城」であります。

蜘蛛巣城」は、
戦国時代を描いた黒澤作品は数々あれど、そのスケールにおいて随一でしょう。

さて、
“自信”の対義語は、“劣等感”や“危惧”といったところでしょうが、
なかには、“猜疑心”というのもあるんじゃないでしょうか?

人は、他者からなにかの拍子に高く評価され自信に満ちて高慢なとき、
自らが思ってもみなかった内なる声を聴いてしまうときがあるのかもしれません。

妖しい老婆の予言や、一見、そそのかし、けしかけたように見える妻の扇動も、
実は、幻想や単なる妻の老婆心の発露だったのかもしれません。

いずれにしても、
蜘蛛巣城マクベス)」は、そういった野心や猜疑心に気づいてしまった男の
悲劇だと言えるでしょう。


ところで、
この映画の見どころは矢を射かけられるラストシーンだという人もいますが、
能の様式を採り入れ能面に影響を受けたとされる俳優たちの“顔”だと、わたしは思います。



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