2017年03月31日 17:59

本日文芸坐三浦館上映の映画は、
1963年(昭和38年)公開の黒澤明監督作品「天国と地獄」です。
何回観ても緊張させられる映画であり、
同時に人間の有り様に心動かされる映画であります。
この映画については記したいことが多すぎるのですが、きょうは一点だけ。
この映画が公開されたのは、いまから54年前の1963年の3月1日だったそうですが、
その年のきょう3月31日に「吉展ちゃん誘拐殺人事件」が起きました。
吉展ちゃんは当時4歳でしたが、
わたしより少しだけ年下の子がさらわれて殺された事件だったので印象に残っています。
この事件は2年後、
誘拐犯が逮捕され、遺棄されていた被害者が見つかって解決をみました。
ところが、この誘拐犯の供述から、
「天国と地獄」の予告編を観たことが誘拐を思いついたキッカケだったことが後に判りました。
貧しい農家の11人兄弟の10番目として生まれ、足に障がいがあり、
困難な人生を過ごしてきたであろう犯人が目指した天国は、実は地獄だったワケです。
ところで、もしこの犯人が、
「天国と地獄」の本編を観ていたとしたら、果たして罪を犯しただろうかと想像しています。
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