FC2ブログ

お接待

2015年06月06日 23:59

徳島県勝浦郡勝浦町は、
四国八十八箇所第20番札所・鶴林寺を見上げる、
勝浦川に沿った山深い里です。

勝浦町は、父の故郷であります。
わたしも、その勝浦町で産まれました。

本家は、5年前に伯父が亡くなり、
伯父夫婦には子がありませんでしたから、
いまは、伯母が独りで暮らしています。

わたしの祖父は、1963年(昭和38年)に亡くなりました。
祖母は、1989年(平成元年)に亡くなりました。

祖父の五十回忌も済ませました。
来年は、祖母の二十七回忌です。

祖母

祖母は、86歳まで生きてくれました。

祖母は、
毎日、朝げの前に玄関先に立ってお天道様を拝み、
御仏壇に御飯を供えて般若心経を唱えていました。

小さいわたしも祖母の横に座って南無ナムやっているうちに、
大雑把に般若心経を憶えてしまいました。

四国は、
八十八箇所の霊場を巡るお遍路さんの巡礼の地です。

むかしのことですが、
本家の門口には、毎日何度もお遍路さんが托鉢に来られます。

すると、祖母は僅かな米や小銭を鉢の中に入れるのでした。
それが、一日に一人二人ではありません。
延べ何十人ものお遍路さんが次々にやって来るのですが、
祖母は丁寧に托鉢に応じるのでした。

徳島では、それを「お接待(おせったい)」と謂います。

お四国でお遍路さんは、
お大師様(弘法大師空海)と一緒、仏様と同じように扱われます。

ですから、お遍路さんには、
食料や路銀を渡すなどして、お接待するのです。

わたしが小さい頃のお遍路さんは、
戦災で家を無くしてしまった方、病を患っている方、
家庭的な事情を抱えた方など、訳ありの人たちがお遍路さんになって、
巡礼の旅をしておられました。

家や仕事が無くても、
お四国巡りをしていれば食べられたからです。

父から聴いた話ですが、
祖母は、そんなお遍路さんたちを家に泊めていたのだそうです。
食事を与え、夜具を敷いて世話をしていたのだそうです。
究極のお接待でしょう。

そんな祖母の影響が、孫たちに伝わってしまいました。

わたしの場合は、お接待ではなく、おせっかいですが・・・。


スポンサーサイト





最新記事