目覚めたら、既に遅刻していた。
そんな夢を見ることはあっても、そんなことが現実に起こったら・・・と
想像してみてください。
他人事ではありません。
わたしも、演劇制作者として旅公演を担当していたときに、
お恥ずかしい話ですが、集合時間に遅刻したことがありました。
移動するためにホテルのロビーに集合してから駅に向かうところを、
わたしがロビーに降りたときにはスタッフは出発したあとでした。
幸いに、電車の出発には間に合ったので、
次の公演地の到着時に制作者不在という最悪の事態は避けられました。
連日緊張を強いられる現場がつづいていたのですが、
多分ちょっとした気の緩みがあったのだろうと思います。
制作者に成りたての頃は、そんなミスが怖くて、
かえって夜になっても眠れないという日々を経験したのですが、
遅刻した時は、そんなミスは犯さないだろうという慢心があったのでしょう。
しかし、わたしの演劇生活の中でも、周りに遅刻話は結構あるものです。
旅公演の最中に、遅刻したメンバーを待つなんていうのは日常的でした。
しかし、
俳優が遅刻して上演中止という話は、前代未聞でしょう。
新国立劇場小劇場
「効率学のススメ」公演は、
先日21日の日曜日の昼公演に、俳優が劇場入りしなかったことから
この日の公演を中止し、俳優は謝罪会見を行い、
新国立劇場は、中止公演に来場した観客に対して、
チケット代だけでなく、交通費も負担することを発表したそうです。
当日の楽屋が想像できます。
電話やメールをしても、連絡がとれないでやきもきする関係者。
迫る開演時間。
上演中止か、観客を引きとめておいて俳優が到着したら遅れて上演するか、
いくつかの選択が現実的になってきます。
上演中止にしたときの対応は、どうするか。
制作者の頭の中はグルグル回り、さぞ脂汗をかいたことでしょう・・・。
ところで、
制作者や舞台監督は、前日の公演終了時に翌日の開演時間を告げているハズですが、
俳優は、それを聞いていなかったのでしょうか?
確かにこの公演日程は、あまり規則性がない感じがします。
最近の傾向では、平日の昼公演が増え、夜の公演が減りました。
この公演も、土曜日の夜公演も、昼・夜のダブルヘッダーもありません。
しかし、一日一回の公演の場合、日曜日は昼公演だということは常識なんですがねぇ?
それにしても、
舞台演劇は、毎回生身の人間が集まってお芝居を観せるものです。
こんなに “ 非効率的 ” な作業はないワケですよ。
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