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「芝濱」

2010年02月20日 23:59

腕はいいが、酒好きが祟って商いでしくじり甲斐性を失くした魚屋が、

かみさんに無理やり起こされて河岸に行くと、時刻を間違え河岸が開いていません。


そこで、誰もいない浜に出て煙管を取り出して一服しながら昇る天道様を観ていると、

つい眠気を覚えたので海の水で顔を洗おうと、海に入ったら足に紐が絡み付きます。

その紐を手繰ってみると、ずっしりと重い革の財布です。

それを持って家に帰りかみさんにコトの顛末を話して財布の中をみると五十両の金。

それを喜び、かみさんが出してくれた酒を飲んで酔って寝てしまいます。


しばらくして起こされた魚屋は、上機嫌で風呂に行って友達を連れて帰ってきて大宴会。

そしてまたまた酔って寝てしまいます。

翌朝また河岸に行って働いてくれと、かみさんに起こされますが、

何を言ってるのだ昨日拾った金があるじゃあないかと言って応じないでいると、

かみさんが「それなんのコト?」

昨日アンタを起こしたら風呂に行って友達を大勢連れて帰ってきて酒や肴を振舞って

酔って寝てしまって、いま起こされたのだと説明されます。


酔ってばかりいるから酒の毒が頭に回って、夢と現実の区別が出来ないのだと説かれ、

流石の魚屋も改心して酒を絶って働きます。


すると、元々腕のいい魚屋ですから、三年後には借金も無くなり、蓄えもが出来、

新しい畳に替えたそんな我が家で魚屋は大晦日を迎えています。

茶を飲みながら、こうして幸せに大晦日を迎えられるのも働ければこそだという

魚屋の話を聴いていたかみさんが、初めてあの革の財布を魚屋に見せて詫びます。


あのときは夢だと言ってウソをついて騙したのだと言うのです。

商いもせずに金回りのいい生活をしていれば、世間がおかしいと思うであろう。

人様の財布を届けずに懐に入れたと知れれば、後でどんなお咎めがあったか分らない。

だから、大家に相談して財布は番所に届けてもらったら一年経っても落とし主が現れず、

手元に下がってきたけれど、金が出来たと分かったら夫がまた元のように戻ってしまう

のではないかと心配になり隠していたが、本心から心を入れ替えたと判ったから、

こうして打ち明けたのだと言うのです。


ウソをついてくれたかみさんに詫びながら感謝する魚屋。

心を入れ替えたのだからもう大丈夫、一杯やらないかい?と勧めるかみさんに魚屋が、

酒を断って言います、 「また夢になるといけねぇ」



人情噺の名作落語『芝濱』でございます。

つづく・・・。



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