後を引き受ける強さと覚悟

2018年07月17日 23:59

倉本聰さんのドラマ「前略おふくろ様2」(一九七六年)の中に、岡野のおじさん(大滝秀治)がサブ(萩原健一)に、夫婦の死別について語る場面がある▼このおじさん、少し前に奥さんに先立たれているのだが、「女房が先に死んでオレが残るのは何としてもたまらない。絶対にいやだと思っていた」そうだ▼ところが、ある時、思想が変わった。「オレが先に死んではいけない。女房一人残してはいけない。先に死なせてやらねば、オレがずっと見守り、オレが手を握り、後に残る苦しさをオレが引き受け…」。大滝さんのせりふを思い出しシンミリする▼最近の調査によると岡野のおじさんの「自分が後に」は圧倒的に少数派らしい。公益財団法人「日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団」が「死の時期を決
められるとしたら、配偶者と、どちらが先に死にたいか」を尋ねたところ、「自分が先に」は62・7%で、「自分が後に」の37・3%を大きく上回ったそうだ▼上位に入った「先に」の理由は、「悲しみに耐えられない」「死ぬ時にパートナーにいてほしいから」「生活できない」…。分かるという人は多いだろう▼興味深いのは男女差。男性の約八割が「先に」と考えるのに対し、女性の方は五割程度だった。男性より長い平均寿命もあるだろうが、女性の方が、後を引き受ける強さと覚悟をお持ちなのかもしれない。<2018年7月17日東京新聞朝刊「筆洗」より>



昨日、友人が出演している日穏公演「月の海」を観て、
去年、話題になったドラマ「やすらぎの郷」のセリフを思い出し、
このブログとフェイスブックに拙文を載せました。

「やすらぎの郷」もまた、倉本聰さんが書かれたドラマです。

すると、フェイスブックの投稿を読んでくださった知人から、
東京新聞の「筆洗」にも同様のことが載っていると教えていただきました。

上記がその「筆洗」の記事ですが、転載させていただきました。

それにしても、
1976年に書かれたセリフだということは、42年前ですから倉本聰さんは41歳です。
41歳のときに、こういうセリフを書いていらっしゃったことに驚きます。


ところで。

わたしもかみさんも、
両親を亡くしたので、残る問題はどちらが先に逝くのかということです。
つまりは、どちらが相手を看取るのかということでもあります。

それはまた、
相手を看取って後を引き受けた方が、どう死ぬのかという問題につづきます。

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マニー・パッキャオ

2018年07月15日 14:03

再起

ことし12月の誕生日を迎えると40歳になるという
マニー・パッキャオが、チャンピオンに勝ちました。

ボクシングのWBAウエルター級タイトルマッチで、
6階級制覇したことがあるマニー・パッキャオ(フィリピン)が、
WBAウエルター級王者ルーカス・マティセ(アルゼンチン)に勝利し、
約1年ぶりの再起戦を7回TKOで飾ったのです。

パッキャオは、
WBC世界フライ級
IBF世界スーパーバンタム級
WBC世界スーパーフェザー級
WBC世界ライト級
WBO世界ウェルター級
WBC世界スーパーウェルター級
という各階級のチャンピオンでした。

ところが、
去年年7月、ジェフ・ホーン(オーストラリア)に判定で敗れ、
WBO世界ウエルター級王座を失い引退かと噂されましたが、
今回WBA世界ウエルター級タイトルマッチを制し再起したのです。

ちなみに、
WBCは、世界ボクシング評議会
WBOは、世界ボクシング機構
WBAは、世界ボクシング協会
いずれもプロボクシングの世界王座認定団体です。

それにしても、
50.802kg以下のフライ級、69.853kg以下のスーパーウェルター級
団体が違うとはいえ、フライ級からスーパーウェルター級まで、
その体重差は19.051kgです。

わたしが大人になって、
一番痩せていた頃と一番太っていた頃の体重の差と同じくらいです。

わたしは、痩せても太ってもなんのタイトルも獲ってませんが・・・。

パッキャオ

駄々っ子

2018年07月10日 18:14

こんな場合、どのように言葉を使ったらよいかホントは判りませんが、
まずは、西日本広域で被災された皆様にお見舞いを申し上げると共に、
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。


わたしの妹夫婦は、
2011年の東日本大震災以降、ずっと被災地の支援活動を行っています。
その妹夫婦が、昨日また東北へ活動しに車で向かいました。

東北へ出発する前に妹が電話で言っていました。
「西日本の状況を見ていると、東北へ行ってる場合じゃないって思えるよ」

そう!
大震災は毎年起こってはいませんが、大雨被害は毎年のことになりました。


未だに、地球温暖化陰謀論や二酸化炭素懐疑論が散見されますが、
いまや1時間に100ミリの豪雨は各地で頻発するようになりました。
ゲリラ豪雨など珍しいことではなくなり、ニュースにもならなくなりました。

10年ほど前からでしょうか?
気象用語に35℃以上の気温の日を指す「猛暑日」という呼び名が加わりましたが、
日最高気温が35℃以上の年間日数の増加傾向は明瞭に現れているそうです。

現に、時間当たり80㎜以上、一日当り200㎜以上の降水量の年間記録は、
明らかに近年上昇しています。

それに伴って洪水・土砂災害の数も増えて、もはや毎年のことになったのです。


地球温暖化を促進させる温室効果ガスの代表格である二酸化炭素(CO2)の2大排出国、
アメリカ合衆国の大統領と中華人民共和国の国家主席が 「パリ協定」批准の握手をしたのは、
2年前の2016年9月のことでしたが、次の大統領が去年の6月に協定からの離脱を表明。

「地球温暖化はデマだ!!」

・・・、
母なる地球から見たら、駄々をこねる子供のようです。


「チルドレン」




加藤剛さんの訃報

2018年07月09日 17:01

大災害や死刑執行や歌丸さんの訃報に気が滅入る毎日でしたが、
きょうは、加藤剛さんの訃報が流れました。

6月18日に亡くなられたのだそうです。


加藤剛さんは、
俳優座の方ですから、お芝居を拝見する機会も多かったのですが、
本田延三郎さんがプロデューサーで、むぅむぅ(義父)が製作した、
今井正監督の映画「子育てごっこ」に栗原小巻さんとW主演さていました。

そんなご縁で、むぅむぅは親しくさせていただいておりましたが、
そのむぅむぅと加藤剛さんは同じ2月4日がお誕生日でした。

そして、
うちの息子(長男)が結婚すると、加藤剛さんと三浦家は親戚になりました。

聴けば、
加藤剛さんのご先祖様には、「尾上扇昇」という歌舞伎役者がいたのだそうです。
それも類稀なる美形であったそうですが、加藤剛さんを見れば判ります。

2年前の5月、
紀伊國屋ホール俳優座公演を観に行った折り、ロビーでお会いしましたが、
それが最後になってしまいました。

そんないろいろなご縁でしたが、去年6月21日にむぅむぅは亡くなりました。
加藤剛さんが亡くなられたのは、その約1年後ということになりますね。

加藤剛さんのご冥福を祈ります。合掌

「子育てごっこ」



死刑という祭り

2018年07月06日 16:05

「藪原検校」

井上ひさしさんの戯曲に「藪原検校」という芝居があります。

江戸時代、東北の貧しい漁村で生まれた盲人の若者が、
晴眼者に伍して生きてゆくための武器として悪事の限りを尽くし、
その時代の寵児として盲人の頂点を極めた途端、
それをもて囃した民衆の眼の前で、惨死させられるというお話ですが、
五月舎本田延三郎さんがプロデュースし、
むぅむぅ(義父)が製作をお手伝いをして、
木村光一さんが演出した演劇史に特筆すべき作品です。

きょうは、
その「藪原検校」の物語を思い出すような出来事がありました。


ところで、
わたしは死刑はあったほうがよいと思っています。

殺人の動機が、
憎しみであっても、金品を奪うためであっても、
はたまた、己勝手な無理心中であったとしても、
意図して、或いはそうなっても構わないと思って、
人を死に至らしめた場合は死刑でよいと思います。

でも、
被害者が一人・二人では死刑の判決が下らないと、
そんな傾向があるようです。

しかし、
被害者が一人であっても、死刑が妥当だと思います。
仮に二人・三人の加害者が一人を殺めたとしても、
その二人・三人を死刑に処するべきと考えます。

人を殺めるという行為は、それだけの重罪です。
命をもってしか贖うことができない罪だと思うのです。

死刑廃止論に耳を貸さないワケではありません。
人が人を裁いて、死刑に処すのも殺人である。
なるほど、これも頷けます。

死刑の殺人抑止論も、
それはそれで人間としての智慧というものでしょう。

しかし、
人はまだ、人を殺した人を人として扱うことができません。
そこまで人は崇高ではないのです。

そこまで崇高ではない人は、
殺人というフラストレーションから逃れるために死刑を望みます。
いわば、死刑は人々のフラストレーションの解放に使われます。

つまり、死刑もまた祭なのであります。
祭りは、政をする者たちの道具として使われます。



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