シビリアン・コントロール

2017年07月30日 20:49

わたしは、間違いのないことだと思っているのですが、
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた
陸上自衛隊の部隊が作成した日報は“保存”されていたはずです。

もし、破棄されたとしたら、それこそ“大問題”ではないでしょうか?

そもそも、一昨年2015年9月17日、
従来の政府は「集団的自衛権の行使」は憲法に反すると解釈していた
内閣法制局の見解があったのに、その内閣法制局長官を交代させて、
野党が「憲法違反の戦争法」と呼ぶ「「集団的自衛権」を認めてしまい、
駆けつけ警護」を含む「安全保障関連法案」を強行採決したのでした。

強行採決

その任務を命令された自衛隊が、日報を破棄すると思いますか?

自衛隊の平和維持活動という性格上、
現地隊員の安全を守るために一部“非公開”にする場合があることは、
理解できます。しかし、棄てちゃうワケないでしょ?


今回辞任した防衛大臣は、この法案が強行採決されたときには、
まだ防衛大臣ではありませんでした。

しかし、政務調査会長という党の重職に就いていた人物であります。

「日報は破棄した」という報告を受けたときに、
何故「そんなワケはない」と思わなかったのでしょう。
いや、そう思ったに違いないと、わたしは思います。

自衛隊の陸上幕僚長は、
日報の存在を非公表とした方針の決定に関与した責任をとって辞任しました。

この人物は、
日航機123便墜落事故のときに部隊を指揮したことで有名だそうで、
人望も厚く「武人」とか「武士(もののふ)」と形容する人もいるようですが、
今回行ったことは、自主的か命令により受動的に行ったかは別として、
“隠蔽に加担した”ワケですから、辞任するのは当然でしょう。

シビリアン・コントロールという観点からみれば、
自主的に隠蔽したのならコントロールが利いていないことになり、
命令されて隠蔽したのなら利いていたことになるワケですが、
いずれの場合も“国民のため”に行動したというよりは、
“国民からの批判を避けるため”と、政府の立場を“忖度した”からでしょう。

しかし、
一番やってられないのは、“戦闘状態”の中にいた現地の自衛官たちです。

戦闘状態の危険な中に身を置いて任務を遂行しようとしていたのに、
“無かった事”にされちゃったのですから。


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レッドカード

2017年07月19日 18:32

そもそも、
去年7月8日に起こった大統領派軍と副大統領派軍との間の銃撃戦、
最初の“戦闘”で100人が死傷し、南スーダンは再び内戦状態へ逆戻りしました。

国際協力機構(JICA)の関係者ら在留邦人47人も退避し、
日本大使館員のうち4名も自衛隊機で近隣国のジブチへと避難しました。

南スーダンに踏み止まった大使を含む日本大使館員も、
ジュバの大使館では身の安全を図れないと判断して陸上自衛隊の宿営地へ駆け込み、
“戦闘状態”が終息するまで同宿営地で宿泊を続けたのだそうです。

この時、国連の平和維持活動に参加していた中国人隊員2名が殺害されました。
また、5名が重軽傷を負いました。

まずこの事態を記録した、
南スーダンPKO(国連平和維持活動)活動の日報についての情報公開請求を受け、
「陸上自衛隊のなかにはなく、破棄していた」と返答していたのですが、
今年1月ごろまで陸上自衛隊の中でも日報が保管されていたことが分かりました。

その日誌に、7月8日のことが“戦闘”と記録されていた点を指摘された防衛大臣は、
「一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している。
法的な意味の戦闘行為ではない。武力衝突だ」との見解を示したのでした。

更に、陸上自衛隊の中で日誌が保管されていた事実を非公表とする方針を、
大臣は、ことし2月の防衛省最高幹部による緊急会議で防衛省幹部から伝えられ、
そのことを了承していたことが明らかになりました。

防衛省・自衛隊の組織的隠蔽を、防衛大臣が容認していたとすれば、
大問題中の大問題でしょ!?

戦闘を武力衝突と言い換え、有ったものを、無くしたことにし、その事実を隠蔽し、
ウソまでついたのです。

なぜか?

戦争しちゃいけないからですよ。
行かせてはいけない所に自衛隊員を送り込んだからです。

戦場にいた自衛隊員はたまったものではありませんよね。
そのご家族やご友人のご心配なお気持ちを考えるだけで、
防衛大臣や、その人を任命した首相に対する怒りがわいてきます。

これ、レッドカードですよね。
でも、これで何枚目のレッドカードですか?



こんな人たち

2017年07月09日 23:59

法案の中身も解らず、役人をプロンプターにして答弁し、
終いには凶暴なやり方で共謀して法案を通した法務大臣。

ここに書くことも憚られる暴言と暴力を秘書に浴びせて、
品性と信用と支持者も失ったであろう与党の国会議員。

疑惑の渦中にある学校法人から、落選中に報酬を受け取り、
当選後も名誉客員教授として兼職していたにもかかわらず、
その届けを出していなかった上に、自身のブログに総理と共に
バーベキューを楽しむ様子を写した写真を掲載していながら、
学校法人の理事長とは親しくはないと言ったりしている、
総理の御意向の伝達者である内閣官房副長官。

学校法人への国有地売却問題の国会答弁で事実確認をせず、
記録は残っていないとウソをついて資料の提出を拒み続けた
忖度の達人でもあるであろう財務省の理財局長を、こともあろうに
国税庁長官に据える人事を発表し、国民の納税意欲を失わせた
財務大臣。

都議選の与党候補者の応援演説の際、
「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてお願いしたい」と発言し、
過去の問題発言、問題行動の上をゆく問題発言を極めた防衛大臣。

文科大臣在任中に学校法人の秘書室長から現金200万円を受け取った、
と報じられた、前都連会長。

こうしてあげつらってみると、枚挙にいとまがありませんが、極め付けは、
都議選の演説で「こんな人たちに敗けるわけにはいかないんです」と云った
この国の総理大臣でしょうか?

選挙妨害を容認するワケではありませんが、
こんな発言をする総理大臣を容認することもできないのであります。

こうしてみると、政治家の“劣化”が際立っているように思います。
“こんな人たち”に政治をやらせているのは、“どんな人たち”でしょう?

自戒をこめて。



他山の石

2016年12月13日 23:59

お隣の国の大統領が、一民間人であるお友達を大統領府へ出入りさせ、
国の政策や機密情報を漏らした上で、相談していたのではないかということが、
国家的な大問題に発展し、ついに国会で弾劾訴追案が可決されてしまいました。

それは、確かに大問題なのでありますが、
それと同じようなことが我が国でも行われていた・・・いや、いまも行われているんじゃないの?
そんな風に思ったのですが、違いますかしら?


さて、今週ロシアの大統領が訪日して、北方領土を“返還”してくれるんじゃないかと、
期待大なのでありますが、あれは、そもそも“返還”されるべきものではなく、
我が国固有の領土なのだから“四島一括”で解決すべしと云って、譲らなかった人がいます。

末次一郎という、“最後の国士”と云われた人物で、
いまの都知事の父上の親友にして、都知事の政治家としての師と謂われる人物であります。

末次さんを師と仰いでいた現在の新党大地の代表が、むかし“二島先行”を言い出したときには、
末次さんが怒って大喧嘩になったという逸話があると聞いています。

そして、末次さんは、わたしの父の同志でもありました。

この末次一郎さんも公職に就いたことのない、いってみれば一民間人でありましたが、
沖縄返還北方領土、各国のODAなどについて、民間人として尽力された人でもありました。

そして、大勲位と呼ばれる元・総理大臣をはじめとした歴代総理の指南役とも謂われた人です。


その歴代総理の指南役といえば、
過去には、末次一郎さんや父が師と仰ぐ安岡正篤先生がいます。

戦後の歴代総理、
吉田茂岸信介池田勇人佐藤栄作福田赳夫大平正芳中曽根康弘たちが、
安岡正篤先生を師と仰いだと謂われ、田中角栄三木武夫は例外だったそうです。

また、戦前には、五・一五事件二・二六事件の首謀者たちに影響を与えたとされ、
戦前の海軍大将・八代六郎が25歳だった安岡先生の弟子になった逸話が有名です。

このように、
戦前はともかくとして、戦後政治の中心人物(総理大臣)が、一民間人を師と仰ぎ、
薫陶を受け、ときとして時事問題や外交問題を相談していたなどという逸話は、
末次・安岡両氏を除いても、決して少なくはありません。

場合によっては、
宗教指導者に政策についてお伺いをたてていたなどという話だって、あるくらいです。

それとこれとは違うのでしょうか?

モチロン、
末次さんや安岡先生とお隣の国の大統領の友達を同等だと申しているのではありません。
ただ、政府のトップやそれに類する人たちが、一民間人に相談する構図が同じだと思うのです。
それが、いけないことだとしたら、どこで線引きするのでしょうか?

お隣の国を他山の石とするもしないも、同じ石なのかもしれませんよ。


内面外面

2016年07月24日 23:59

「平成28年沖縄全戦没者追悼式」に臨み、沖縄戦において、戦場に斃(たお)れた御霊、戦禍に遭われ亡くなられた御霊に向かい、謹んで哀悼の誠を捧げますとともに、御遺族の方々に、深く哀悼の意を表します。

 71年前、ここ沖縄の地は、凄惨(せいさん)な地上戦の場となりました。20万人もの尊い命が失われ、何の罪もない市井の人々、未来ある子供たちが、無残にも犠牲となりました。沖縄の美しい海や自然、豊かな文化が、容赦なく壊されました。平和の礎(いしじ)に刻まれた方々の無念、残された人々の底知れぬ悲しみ、沖縄が負った癒えることのない深い傷を想うとき、ただただ、頭を垂れるほか、なす術(すべ)がありません。

 祖国の行く末を案じ、愛する家族の幸せを願いながら、戦争のために命を落とされた方々。その取り返しのつかない犠牲、そしてその後に沖縄が忍んだ苦難の歴史の上に、今、私たちが享受する平和と繁栄があります。今日は、静かに目を閉じて、そのことを嚙(か)みしめ、私たちがどこから来たのか、自らに問う。過去と謙虚に向き合い、平和な世界の実現に向けて不断の努力を続けていく、その誓いを新たにする日であります。

 同時に、私たちは、戦後70年以上を経た今もなお、沖縄が大きな基地の負担を背負っている事実を、重く受け止めなければなりません。私たちは、今後とも、国を挙げて、基地負担の軽減に、一つ一つ、取り組んでまいります。

 そうした中で、今般、米軍の関係者による卑劣極まりない凶悪な事件が発生したことに、非常に強い憤りを覚えています。米国に対しては、私から、直接、大統領に、日本国民が強い衝撃を受けていることを伝え、強く抗議するとともに、徹底的な再発防止など、厳正な対応を求めました。米国とは、地位協定上の軍属の扱いの見直しを行うことで合意し、現在、米国と詰めの交渉を行っております。国民の命と財産を守る責任を負う、政府として、二度とこうした痛ましい犯罪が起きないよう、対策を早急に講じてまいります。

 アジアとの玄関口に位置し、技術革新の新たな拠点でもある沖縄は、その大いなる優位性と、限りない潜在力を存分に活かし、現在、飛躍的な発展を遂げつつあります。私たちは、今を生きる世代、そして、明日を生きる世代のため、沖縄の振興に全力で取り組み、明るい未来を切り拓いてまいります。そのことが、御霊にお応えすることになる、私はそのことを確信しております。

 結びに、この地に眠る御霊の安らかならんこと、御遺族の方々の御平安を心からお祈りし、私の挨拶(あいさつ)といたします。


ご本人が、書いた原稿かどうかも判りません。

その原稿から目を離すことなく、
参列者の顔を見ることもなく読み上げられた挨拶文の全文です。


あらためて挨拶文を読み返してみるとき、
沖縄で今起こっている事と重ね合わせるのは自然なことでしょう。

すると、
美辞麗句の虚しさだけが残ります。
その落差に愕然とします。


日本の全国土面積の1%以下の面積である沖縄県の土地に、
防衛省に拠ると、全在日米軍専用施設の74.46%の割合を占め、
沖縄県の土地の約20%の面積を在日米軍が使用しています。

そんななか、
米軍関係者に因る悲惨な事件や悪意ある事故がつづいています。

そして、
20年も前から住民が反対している高江のヘリパッド建設を、
状況を再検討することもなく20年も前の計画のまま、
強制的に行なおうとしています。

所謂“不平等条約”である日米地位協定の改定を目指すことなく、
占領時代のままアメリカの言いなりになって経済の発展ばかりを目指し
沖縄を差別してばかりいる此の国の、政権のトップは外面ばかりがよく、
次にアメリカの人々が選ぶかもしれない、内面ばかりがよいトップとは、
正々堂々と対峙できるのでしょうか?

もう一度、あの挨拶文を読んでみてください。

国には、
あの挨拶文と現状との落差を無くしていただきたい。




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