「スパルタカス」

2017年05月28日 23:59

「スパルタカス」

文芸坐三浦館が先日上映した、
アメリカの“赤狩り”で弾圧された脚本家ダルトン・トランボの伝記映画「トランボ

その「トランボ」にも描かれているエピソードなのですが、
共産主義者のレッテルを貼られ、事実上ハリウッドから追放されたトランボに、
脚本を依頼すること、また脚本はトランボが書いたと表明することは、
興行の失敗をも意味していたのでした。

ですから「ローマの休日」も他の脚本家の名で発表されたのでしたし、
トランボが書いたことが正式になったのは彼の死後のことでした。


そんな時代に、自らトランボに脚本を依頼し、
映画のクレジットに堂々と「脚本:ダルトン・トランボ」と記し、
しかも、映画を興行的にも成功させアカデミー賞も受賞したのが、
きょう文芸坐三浦館が上映した映画「スパルタカス」の、
企画・製作者で主役を演じたカーク・ダグラスでした。

本来民主主義国家とは、
政府も法律も国民の生活や権利を守るために機能を果たすべきなのであって、
生活や権利を束縛するためであってはならないというのが“赤狩り”の教訓なんですよ、総理。

それにしても、男カーク・ダグラスちゃあカッコよか!


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「マイ・フェア・レディ」

2017年05月26日 17:03

「マイフェアレディ」

いまから36年前のことですが、学生の芝居を演出したことがあります。
作品は、バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」であります。

そのときは、
後輩でもあった学生たちの才能は、開花する前のつぼみでした。

ピグマリオン」という芝居は、
主人公の言語学者が、強い訛りをもつ花売り娘の言葉を矯正することで
一流のレディに仕立てることができるか、友人と懸けをするという物語です。

ですから、
わたしは、才能が開花する前の後輩たちと、
レディに成長してゆく花売り娘を重ねて見ていたような気がします。

しかし、
そのこと自体が、不遜なことでした。
いまになって考えてみると、当時のわたしが“ピグマリオン”でした。
恥ずかしくなります。


ところで、
ピグマリオンというのは、ギリシャ神話に登場する王の名ですが、
現実の女性に失望して理想の女性像を彫刻するうちに、
その彫刻に恋をしてしまうというお話です。

それらを原作に創られたのが、
本日文芸坐三浦館が上映した「マイ・フェア・レディ」であります。

ところで、
原作者のバーナード・ショーは、
結末をハッピーエンド(恋愛)として描いてはいませんでした。

しかし、
当時の学生たちもそうでしたが、映画でもミュージカルの舞台でも、
この物語を、どうもハッピーエンドにしたい傾向があるようです。

でも、バーナード・ショーはハッピーエンドの物語ではなく、
愚かな“ピグマリオン”を描きたかったのです。

そりゃそうでしょう。
この物語は、いまでいうなら「パワハラ」か「モラハラ」。
日本でいうなら「痴人の愛」ですもの。



「招かれざる客」

2017年05月25日 23:59

「招かれざる客」

先輩の奥さまが亡くなられて5日が経ちました。
昨日は、家族葬が執り行われたようです。

多分、
奥さまが寝ていらしたベットが空き、ご遺骨が安置された部屋で、
先輩は一夜を過ごしたことでしょう。


3日前に突然母上を亡くされた知人から
「家族葬なのですが・・・」とご連絡をいただきました。

そこで、お通夜に伺いました。
亡くなる直前まで、母上の異常に気づけなかったと
悔やんでいらっしゃいました。

母上は、
戦争でご両親を亡くされ、ご家族がいなかったのだそうです。

ですから、
母上は「家族がいるだけで幸せ」だとおっしゃっていたそうです。

知人は、「もう一度、母と話したかった」と悔しがっています。


きょうは、
わたしの恩人Kさんの七回忌のご命日でもあります。

6年前、
多分、5月25日がわたしたちの結婚記念日だということを知らずに逝きました。

悲しみも喜びも、5月25日。


さて、
本日、文芸坐三浦館が上映した作品は、
1967年公開のスタンリー・クレイマー監督作品「招かれざる客」。

ハワイで出逢って結婚を約束した男(シドニー・ポアチエ)は
ハンサムで有能な医師で黒人。女は白人。

女の両親は戸惑うのですが、
母親(キャサリン・ヘップバーン)は理解を示します。
しかし父親(スペンサー・トレイシー)はそうはいきません。

でも、それだけでは決められなかったのです。
何故ならもっと戸惑ったのは男の両親だったからです。

結局は、
娘の幸せを願い息子を愛しているから当然の決断をします。
親というものは古今東西同じことを考えるようです。

それにしても、
一組の結婚が如何に周りに影響を及ぼすのかという事例の一つであります。


そんなこんなをいろいろと考えながら、
通夜の帰りに、かみさんとグラスを合わせました。


「ミンボーの女」

2017年05月22日 17:29

「ミンボーの女」

文芸坐三浦館、
本日上映した作品は、先日の「タンポポ」につづいて、
伊丹十三監督作品としては二本目の登場、「ミンボーの女」であります。

本当は、伊丹十三監督作品としては、第一作を上映したいところですが、
第一作は内容が内容なのでむぅむぅ(義父)に観せるのもどうかと(汗)・・。

ということで、きょうは「ミンボーの女」にいたしました。
ラストシーンにむぅむぅの親友だった田中明夫大親分も登場しますしね。


さてこの映画、
1992年に公開されると世間ではなにかと騒動が起きました。

わたしは、
有り余るマルチな才能を発揮した伊丹十三さんが書かれた
一連のご著書のファンで読みつづけていましたが、
それを読んだ者としては、伊丹さんの自死が信じられません。


「タワーリング・インフェルノ」

2017年05月21日 23:59

「タワーリングインフェルノ」

1975年昭和50年)といえば、わたしが高校を卒業した年ですが、
6月28日に「タワーリング・インフェルノ」が日本で公開されました。

わたしも、故郷・浜松の映画館で観た覚えがあります。

その一か月後、
わたしは、東京へ向かう列車の客になっていました。

映画を観ていたときは、
後々そのような事になるとは、思ってもいませんでした。


さて、文芸坐三浦館、
本日上映したのは、その「タワーリング・インフェルノ」です。

タワーリング・インフェルノ(The Towering Inferno)」は、
まさに「そびえる地獄の火柱」 と対峙した人間たちの闘いを描いた、
パニック映画の金字塔であります。

わたしが上京すると、当時新宿西口には京王プラザホテル
住友三角ビル国際通信センタービル新宿三井ビルがそびえ、
安田火災海上ビルは工事中で半分くらいでした。

それらを見上げて、
タワーリング・インフェルノ」と重ね合わせたのは言うまでもありません。

タワーリング・インフェルノ」は、要するに高層ビルが火事になる映画です。

スティーブ・マックイーンポール・ニューマンウィリアム・ホールデン
フレッド・アステアフェイ・ダナウェイジェニファー・ジョーンズ
ロバート・ワグナーリチャード・チェンバレンロバート・ヴォーン
そしてあのO・J・シンプソン

監督がジョン・ギラーミン、音楽はジョン・ウィリアムズという、
全員のギャランティだけでも何本の映画が製作できるんだろうという大作です。

しかし、興行成績は記録的大成功を収めたようですが、
“たかが映画”?なのに、そのスケールの大きさには圧倒されました。

日本の映画創りは “火の車”・・・。





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